MLBレギュラーシーズン終了に伴いデータベースのアップデートを行いますので、新規選手のアップはお休みさせていただきます。
前日に引き続き、今季のMLB日本人選手まとめの野手編です。
2025年の日本人MLB選手【野手編】
Table.1 2025年の日本人MLB選手の成績
| Player | Team | Age | G | PA | HR | R | RBI | SB | AVG | WAR |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大谷 翔平 | LAD | 30 | 158 | 727 | 55 | 146 | 102 | 20 | 0.282 | 7.5 |
| 鈴木 誠也 | CHC | 30 | 151 | 651 | 32 | 75 | 103 | 5 | 0.245 | 2.6 |
| ラーズ・ヌートバー | STL | 27 | 135 | 583 | 13 | 68 | 48 | 4 | 0.234 | 0.8 |
| 吉田 正尚 | BOS | 31 | 55 | 205 | 4 | 16 | 26 | 3 | 0.266 | -0.1 |

大谷 翔平
今季30歳を迎えた大谷選手ですが、本塁打王へは1本及ばなかったものの、自己最多の55本塁打を放ちました。しかしながら打率の低下と、昨年の約1/3の盗塁により攻撃における加点を減らしおり、WARは8.9から7.5に大きく下げることになりました。
ただしこれは攻撃の評価のみの話であり、今季は投手復帰し少ない投球回ながらWAR1.9を記録しました。このためWARの合計は9.4となり、これは打席数・投球回ともに規定到達した2022年に並ぶ数字でした。

Figure.1 大谷翔平選手のMLBにおけるfWARの推移
このまま来年は本格的に先発投手として復活し、さらに高みの成績を期待したいところですが、多くの選手では20代後半から30歳前後にかけて足と肩の衰えが始まります。
盗塁数は意図的に減らしていたようですので、走塁系の指標を見る限り、大きな問題はなさそうです。また肩については、今季は短いイニングが多いので参考ですが平均球速は自己最高の98.2マイルを記録しました。
また動体視力の衰えは、近年ではイチロー選手や坂本勇人選手、小笠原道大選手の例によると30代中盤から成績に反映されるようです。ただしこれらはアベレージ型の選手の例ですので、フィジカル型の大谷選手は異なる成長曲線を描くのかもしれません。
鈴木 誠也
鈴木選手はMLBで自身最高の32本塁打・103打点を記録しました。前半戦は好調で、40本塁打も狙えるペースでしたが、ASあたりから失速し、8月は.236、1本塁打と厳しい成績でした。最終盤に盛り返し、松井秀喜氏の31本塁打を超え日本人歴代2番目の32本塁打で締めくくりました。
四球率・三振率を維持しながら本塁打増加につなげましたが、ハードヒット率がやや下がったことによりBABIPが.370から.282と大きく下げたことで、Offが24.9から16.9に大きくポイントを落としました。
また、今季は外野守備が48試合のみと大きく減少し、主にDHとして出場しました。鈴木選手はDefは昨年の-11.0から-13.2とやや低下しましたが、参考までにフルタイムDHの大谷選手のDefは-17.1ですので、守備につく機会を減らすという判断は間違っていかったようです。
MLBで活躍するために必要なNPBでの実績
Table.2 2016~2025年にMLB初年度に出場した野手の成績
| 名前 | Team | Age | Season | 前々年NPB_WAR | 前年NPB_WAR | fWAR | G |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大谷翔平 | LAA | 23 | 2018 | 4.3 | 1.9 | 2.7 | 114 |
| 秋山翔吾 | CIN | 32 | 2020 | 7.1 | 5.4 | 0.3 | 54 |
| 筒香嘉智 | TBR | 28 | 2020 | 3.3 | 1.2 | -0.6 | 28 |
| 鈴木誠也 | CHC | 27 | 2022 | 5.4 | 8.4 | 2.0 | 111 |
| 吉田正尚 | BOS | 29 | 2023 | 4.3 | 4.9 | 0.8 | 140 |
過去10年でMLBに新規出場した日本人や種は5名のみで、大谷選手を除いてすべて外野手でした。(筒香選手は内野での出場あり)
この中で秋山選手は抜群の成績で挑戦したものの、32歳と比較的高齢で成長期を逃したため定着できなかったのかもしれません。
また吉田選手は成績・年齢とも適切でしたが、Def-18.2を記録するなど守備で大きくWARを下げました。NPBで同程度の選手は2023年のスワローズ・サンタナ選手をイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
里崎氏のドラフトに関する動画で、「アベレージ型は要らない」という意見がありましたが、まさにそのとおりかもしれません。
もしアベレージ型でMLB挑戦するなら、イチロー選手や青木選手のように30盗塁できる足に加えて、複数年首位打者を獲るような突出した成績が必要になるのではないでしょうか。
先発投手の場合はWAR3.0以上必要との結果でしたが、野手の場合は、パワー型でありもしDHだったとしても野手WAR4.0以上の成績が目安になりそうです。
まとめ
前回同様、WARのみに着目し、どのような選手がMLBで成功できるか考えてみました。
投手に比べてサンプル数が非常に少ないですが、過去の例から
パワー型の場合は、DHであってもWAR4.0以上を記録できるような圧倒的な成績
アベレージ型の場合は、30盗塁できる足と複数年首位打者
以上が目安になりそうです。
参考に里崎氏の動画を記載しましたがMLB球団からすれば、未知のリーグの成績からMLBでの活躍を予想して獲得するのですから、即戦力を期待する点でNPBでの大学・社会人のドラフトと同じような考え方ができるのかもしれません。
来年は岡本和真選手と村上宗隆選手のMLB挑戦が噂されていますが、パワー型のこれらの選手がどのような成績を残すか、今から楽しみです。