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パワプロ能力査定研究所 -プロ野球選手のGraphical Abstract-

データでみる最優秀新人【投手編】

 

Introduction

最優秀新人(通称:新人王)は、その年の最も優秀な新人選手に与えられる選手表彰の一つです。

権利を有する記者による投票である点はNPBとMLBで同じですが、NPBでは1名投票できますが、MLBでは1位票が5ポイント、2位票が3ポイント、3位票が1ポイントとなり、合計ポイントが最も高い選手が受賞者となります。

記者による投票のため、人気球団や優勝への貢献など個人の力量外の因子が結果に影響していることが考えられますが、今回は2014年から2024年までの有資格者の成績と実際の受賞状況を確認し、今年度の成績をみてみようと思います。

これまでの最優秀新人有資格者の最高WAR投手

Table.1 2014~2024年の最優秀新人有資格者の最高WAR投手

Season Player Team W L SV G IP xFIP WAR 新人王 チーム成績
2014 石川 歩 M 10 8 0 25 160.0 3.71 2.3 4
2015 高木 勇人 G 9 10 0 26 163.1 3.71 1.8 - 2
2016 今永 昇太 DB 8 9 0 22 135.1 3.51 2.2 - 3
2017 山岡 泰輔 Bs 8 11 0 24 149.1 3.24 2.8 - 4
2018 東 克樹 DB 11 5 0 24 154.0 3.65 3.9 4
2019 高橋 礼 H 12 6 0 23 143.0 4.73 1.6 2
2020 森下 暢仁 C 10 3 0 18 122.2 3.33 3.0 5
2021 伊藤 大海 F 10 9 0 23 146.0 3.56 3.1 - 5
2022 髙橋 宏斗 D 6 7 0 19 116.2 2.93 2.6 - 6
2023 村上 頌樹 T 10 6 0 22 144.1 2.55 3.8 1
2024 武内 夏暉 L 10 6 0 21 145.1 2.99 2.8 6

チーム順位の平均は3.8とBクラスのチームが多く、リーグ1位からは村上投手だけでした。

投手に関しては投球回の多い先発投手がWARは大きくなるので、救援投手の成績も見てみます。

日本野球機構公式サイトから画像引用



Table.2 2014~2024年の最優秀新人有資格者の最高WAR救援投手

Season Player Team W L SV G IP xFIP WAR 新人王 チーム成績
2014 髙橋 朋己 L 2 1 29 63 62.2 2.64 1.8 - 5
2015 山﨑 康晃 DB 2 4 37 58 56.1 2.18 1.4 6
2016 福 敬登 D 1 2 0 27 43.1 4.53 0.3 - 6
2017 高梨 雄平 E 1 0 0 46 43.2 3.01 0.9 - 3
2018 加治屋 蓮 H 4 3 0 72 66.2 3.55 0.6 - 2
2019 髙橋 純平 H 3 2 0 45 51.0 3.53 0.9 - 2
2020 平良 海馬 L 1 0 1 54 53.0 3.75 0.8 3
2021 栗林 良吏 C 0 1 37 53 52.1 2.47 1.4 4
2022 湯浅 京己 T 2 3 0 59 58.0 2.39 1.4 - 3
2023 松山 晋也 D 1 1 0 36 35.1 2.61 0.8 - 6
2024 黒原 拓未 C 4 3 0 53 59.2 2.70 0.9 - 4

こちらもチーム順位の平均は4.0とBクラスでした。
先発もリリーフも、実績のない選手はチーム順位が低い方がチャンスがあるようです。

次に上記の投手たちが受賞できなかったときに、別の投手が新人王になった例をみてみます。

 

Table.3 上記以外の投手が最優秀新人賞を受賞した3例

Season Player Team W L SV G IP xFIP WAR 新人王 チーム成績
2021 宮城 大弥 Bs 13 4 0 23 147.0 3.34 2.7 1
2022 大勢 G 1 3 37 57 57.0 2.71 0.6 4
2024 船迫 大雅 G 4 0 0 51 38.0 3.49 -0.3 1

2021年のパ・リーグは、成績的にも伊藤投手と宮城投手の接戦で、年齢を考慮にいれて宮城投手に軍配があがった形でしょうか。

2022年は救援投手の大勢投手が受賞していますが、救援タイプはTable.2で示した湯浅投手を筆頭に、入江投手や水上投手が続き、大勢投手のWARは6番目でした。

2024年の船迫投手はWAR-0.3で投球回も少なく、選考基準がよくわからないというのが正直な感想です。

これら3例は何れもリーグ1位か人気球団で、予想に当てはまる形でした。

2025年の最優秀新人有資格者のWARランキング

最後に2025年の投手WARの一覧です。

Table.4 2025年の最優秀新人有資格者のWAR

Pos Player Age Team W L SV G IP xFIP WAR チーム成績
SP 達 孝太 21 F 8 2 0 16 107.2 2.75 2.2 2
SP 田中 晴也 20 M 3 5 0 13 76.1 2.91 1.7 6
SP 伊原 陵人 24 T 5 7 0 28 110.0 3.26 1.6 1
SP 松本 晴 24 H 6 6 0 29 91.1 2.61 1.3 1
SP 金丸 夢斗 22 D 2 6 0 15 96.2 3.10 1.2 4
RP 高野 脩汰 26 M 5 3 0 37 53.2 2.30 0.9 6
RP 荘司 宏太 24 S 2 1 0 45 42.2 2.68 0.8 6

昨年は武内投手が規定投球回に到達しましたが、2025年は規定投球回到達者はいませんでした。
その中でファイターズの達投手は首脳陣の慎重な登板スケジュールの選定もあり、素晴らしい成績でした。

週末からのクライマックスステージで登板機会がある選手もいるかと思いますので、要注目ですね!