大谷 翔平:Shohei Ohtani (2021)
2021年シーズン前、エンゼルスと2年契約を結んだ大谷翔平は、球団から二刀流継続のラストチャンスを与えられた。大谷はスプリング・トレーニングから投打で圧倒的なパフォーマンスを見せ、その期待に完璧に応えた。
開幕後、大谷は歴史的な記録を次々と打ち立てた。4月4日には「2番・投手」として出場し、球団最速の打球速度115.2マイルを記録する特大本塁打を放ち、マウンドでも100マイルを連発。4月下旬には、本塁打数リーグトップの状態で先発登板するというベーブ・ルース以来の快挙を成し遂げた。その後も、試合途中での外野守備への就き、自身初の無四球10奪三振、1901年以来となる同一シーズン「9盗塁・60奪三振」の達成など、前例のない活躍を続けた。6月のジャイアンツ戦では、DHを解除して先発登板し、当時メジャー最多タイの23号本塁打を自ら放ってみせた。7月にはマイク・トラウトの球団記録を抜く前半戦30本塁打に到達。ファン投票でALの先発DHに選出されたほか、投手としても選出された。
オールスターゲームでは、投打での同時出場を可能にするための「特別ルール」が適用され、「1番・DH兼先発投手」として出場し見事勝利投手となり、使用したハンドグローブ、スパイクシューズ、フットガードはアメリカ野球殿堂入りした。
後半戦は疲労から調子を落としたものの、8月には球団史上初、ALでも2011年以来となる「40本塁打・20盗塁」を達成。最終的に打者として155試合で46本塁打、100打点、26盗塁、リーグ最多の8三塁打を記録。投手としては23試合先発で9勝2敗、防御率3.18、チーム最多の156奪三振を記録し、変則起用ながら投手陣を牽引した。
この歴史的シーズンに対し、MLBは2014年のデレク・ジーター以来、史上16人目となる「コミッショナー特別表彰」を大谷に授与。その後、大谷は満票でアメリカン・リーグの最優秀選手(MVP)に選出されたほか、シルバースラッガー賞(DH部門)、そして球団初のエドガー・マルティネス賞を受賞し、伝説のシーズンを締めくくった。
投手能力

Table1. Pitching Dashboard
| Season | Age | W | L | SV | G | IP | K% | BB% | LOB% | GB% | HR/FB | ERA | FIP | xFIP | Stuff+ | Location+ | Pitching+ | fWAR |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021 | 26 | 9 | 2 | 0 | 23 | 130 1/3 | 29.3% | 8.3% | 79.4% | 45.0% | 13.3% | 3.18 | 3.52 | 3.55 | 109 | 95 | 107 | 3.0 |
トミー・ジョン手術から復帰した2020年は右屈曲回内筋群の損傷で2登板に終わり、真価が試された2021年は、手術前の2018年と同水準の成績に戻すことができた。
前半戦は13先発でWHIP:1.21と多くの走者を許し投球回も67回にとどまったが、後半戦では10先発でWHIP:0.96、63回1/3と、1試合あたり1イニング多く投げることができるようになった。

Table2. Pitch Type
| Pitch Type | LHH % | Pitch % | RHH % | km/h | SO | BA | Whiff% |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Four Seamer | 49% | 44% | 38% | 153.9 | 34 | .291 | 20.3 |
| Sweeper | 16% | 22% | 28% | 132.5 | 40 | .200 | 31.0 |
| Split Finger | 23% | 18% | 13% | 141.8 | 77 | .080 | 49.7 |
| Cutter | 6% | 12% | 18% | 140.2 | 2 | .246 | 20.3 |
| Curveball | 4% | 3% | 2% | 119.9 | 3 | .308 | 26.1 |
最も多く三振を奪った変化球はスプリットで、ストレートより高いArm Angleから放たれるため縦の変化量が大きい。被打率.080と優秀な変化球ではあるものの、Whiff%:49.7%と同じ球速帯から推定されるMLB平均が47.7%とほぼ同等な点は意外なところ。
次点のスイーパーはStuff+:131と球の強さは完成に近づきつつあったものの、Arm Angleが41°と高く、数値ほどの空振りを得られなかった。
第三の球種として投げ始めた変化球が縦のカットボール。Statcastの分類では"Cutter"ではあるが、平均球速がMLB平均より4~5km/h遅く、縦変化は大きめ。この球の回転数などを改良し、後に縦のスライダーとして完成させたか。
野手能力

Table3. Batting Dashboard
| Season | Age | G | PA | HR | R | RBI | SB | BB% | K% | ISO | BABIP | AVG | OBP | SLG | wOBA | wRC+ | BsR | Off | Def | fWAR |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021 | 26 | 158 | 639 | 46 | 103 | 100 | 26 | 15.0% | 29.6% | .335 | .303 | .257 | .372 | .592 | .393 | 150 | 2.3 | 41.8 | -13.6 | 5.0 |
前半戦は33本塁打・OPS1.062と圧倒したものの、後半戦は13本塁打・OPS.839と調子を落とし、ゲレーロ Jr.、ペレスに競り負け本塁打王を逃した。初のフルシーズン二刀流の披露に加え、後半戦だけで故意四球が15と前半戦の3倍であり、明らかに勝負を避けられる場面が増えた。
Sprint Speedは31.6km/h(28.8ft/s, 90パーセンタイル)であり、単純な足の速さは2020~2021が最盛期。走塁も非常に積極的で、リーグ最多三塁打を記録した。一方盗塁は成功率72.2%と低くはないものの盗塁死はリーグ最多であり、無理をしすぎた印象がある。
また投手としてのフィールディングはDRS・プラス・マイナスシステムともにキャリア通算でマイナスを計上したことがなく、安定している。また投手降板後に外野守備につくことがあり、主にライトを守った。トータルで8回1/3のみであり、最高送球速度は88.0km/h(54.7mph)と強い送球を披露する場面には巡り会えなかった。
査定詳細
投手基礎能力
球速:163km/h
スタミナ:74
先発平均投球回:5.7
完投:0
計算値:73.6
コントロール:64
BB%:8.3%
計算値:61.6
特能補正:+2.5
適正:先発◎
先発:23試合(130回1/3)
救援:0試合、最終救援登板:2016年(1試合)
投手特殊能力
対ピンチ:B
得点圏被打率:.122
対左打者:E
対左打者被打率:.235
打たれ強さ:D
LOB%:79.4%
ケガしにくさ:E
2018年:トミー・ジョン手術
2019年:左ひざ手術
2020年:故障で2登板のみ
MLBで初めて大きな故障離脱なし
ノビ:E
被打率が.291と高く、Whiff%が20.3%と球速から予想される値より空振りがとれていない。
クイック:C
被盗塁企図数:4
盗塁阻止率:50%
Steal Base Attempt:0.6%
回復:A
先発登板率:14.2%
二刀流査定
奪三振
奪三振率:10.27
球持ち◯
Extension:6.8
球速安定
ストレートの平均球速:153.9km/h
真っスラ
似たような投手にくらべ、ボール1個分カット気味の変化
投打躍動
イメージ査定
荒れ球
9イニングあたりの暴投+死球:1.38
ボール先行
初球ストライク率:58.0%
野手基礎能力
弾道:4
Launch Angle:16.6
GB/FB:0.94
ミート:47
計算値:53.4
特能補正:-6.0
パワー:94
計算値:94.3
走力:80
Sprint Speed:31.6km/h
肩力:88
球速に連動
守備力:53
DRS:2
捕球:52
投手:7
試合数:23(130回1/3)
エラー:1(捕球:0、送球:1)
守備率:.944
外野:5
試合数:7(8回1/3)
エラー:0
守備率:.000
野手特殊能力
チャンス:C
得点圏打率:.284
対左投手:D
対左投手打率:.263
ケガしにくさ:E
盗塁:D
盗塁企図数:36
盗塁成功率:72.2%
Basestealing Runs:0
走塁:C
Extra Bases Taken Runs:2
送球:D
送球エラー:1
回復:A
試合出場率:97.5%
二刀流査定
パワーヒッター
Barrel %:22.4%
HR/FB:32.9%
内野安打◯
内野安打率:12.9%
初球◯
0ストライク時の打率:.378
存在感
長打率:.592
故意四球:20
悪球打ち
ストライクゾーン以外の安打:29
三振
三振率:29.6%
調子極端
月間OPS標準偏差:18.1%
起用法
人気者
オールスターファン投票1位
強振多用
本塁打:46
積極盗塁
盗塁企図数:36
Steal Attempt%:3.1%
積極走塁
XB Attempt Above Average:11.0%
ボツにした特殊能力
キレ◯
最も多く三振を奪ったスプリットはWhiff%が49.7%と、球速から予想されるWhiff%47.7%に比べ特段高くはない。
リリース◯
Pitcher Arm Angle差:41~53°
対ランナー◯
ランナー一塁または一・三塁時の被打率:.188
スロースターター
先発時の1,2回の失点率:3.63
速球中心
速球系の投球割合:43.9%
プルヒッター
引っ張り方向への本塁打の割合:56.5%
インコースヒッター
内角の本塁打:14
選球眼
Chase %:27.3
パワナンバー
